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薬剤師のつぶやき

2017年6月23日

カンボジアへ

総括会議、共同指導でわさわさしたコスモス薬局です。お疲れ様でした。

 

3月、カンボジアへ行ってきました。

 

旅行中は尼僧さんの宿舎に泊まり、托鉢について回りました。早朝の静かな朝、若い小僧さんが一列になって飯盒を抱えてすたすたと歩いていきます。家の前で待ち構えていた女性たちが湯気のあがったごはんやおかずを一人一人の飯盒によそっていきます。大乗仏教の特徴ですが、「喜捨」の素晴らしさを感じました。功徳を積むため、喜んで施しをして物欲からの解放を表します。

 

ポルポト政権時代、1975年から4年間で200万(人口の1/3)にも及ぶ同胞を虐殺した歴史があり、当時の出来事を本で読むだけでも、本を閉じてしまいたくなる惨状が描かれていました。

 

ポルポト政権後、信仰が篤かった仏教で、人々を苦悩から解放し、国を発展させる必要がありました。僧侶や学者をはじめ知識人が虐殺されたため、子供の教育を進めるのに、破壊されたお寺を復興し、仏教学校を作りました。

 

家族を殺されたものがもつ怒りや悲しみ、手をくだした側の罪悪感や苦悩、それぞれが乗り越えるものが大きすぎて、私にははかりしえない問題でした。

 

「赦す」とは、何か。

 

アフリカのルワンダの大虐殺は、わずか3ヶ月で80万人が殺されました。2つの民族は旧宗主国の歪んだ政策のため翻弄され、争うことになりました。刑期を終えた人々は村に戻って隣り合って暮らしています。

日本人が和解の活動をされているのを知りました。虐殺した側が罪の償いの気持ちで、虐殺された側のおうちを建てるプロジェクトでした。心に負った大きな苦痛は、言葉では謝罪しきれません。互いの心の壁の隙間に光が見える活動だと感じました。

 

「赦す」ことってできるのか。

 

なかなかできません。だから「共謀罪」にはお引き取り願いたい。

正しいものは正しい、間違っているものは間違っていると言える世の中でありたい。「心のうち」を裁かれるなんてばかげているのですが、裸の王様には伝わりません。

 

人口の1/3が亡くなったのは他国の話だけではありません。沖縄戦では人口の1/3を失いました。京都府出身者の兵士は2545人いました。今日23日は沖縄戦の組織的終結の日です。

 

祈りを捧げたいと思います。

 

托鉢のお坊さんが持っているかばんを在宅で愛用しています。

 

コスモス薬局 松田

 

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