「薬は重いよ」
薬局で患者さんにお薬を渡していて、時々心配になることの一つに「お薬の重さ」があります。
錠剤や粉薬は軽いのですが、シップや栄養剤、ゼリータイプの薬など、数が多くなるとすごく重くなるものがあります。
全部を袋に入れて渡す時に自分が重いなと思う袋を80歳を過ぎた方が家まで無事に持って帰れるのかと心配になるのです。
つい、薬局の入り口までの足取りがしっかりしているかどうかを確認してしまいます。
例えば、ある栄養剤は1缶250ml×3缶×7日分=21缶5250mlとなります。一度に持って帰れないので、後でもう一度取りに来られる方もいます。
そんな重い薬を持って帰る時に、強い味方となるのがシルバーカーです。
たくさんのシップや栄養剤も、長期の処方が出て薬が大量になった時も、ドサッとシルバーカーに乗せればそれを押して帰れるわけです。歩いていて疲れたら座ることのできるシルバーカーもあって、便利なもんやなあと感心して見ています。
患者さんの話によると、シルバーカーは杖代わりにもなっていて、これがあるとスイスイ歩けるのだそうです。
腰痛で歩く速度が遅くなった70代の患者さんが、シルバーカーを押した80代のおばあちゃんに追い抜かれてショックだったとおっしゃっていたことがあります。私自身もぼんやりと歩いていたら、横道からシルバーカーのおばあちゃんが飛び出してきて危うく跳ね飛ばされかけたことがあります。シルバーカーを持つとこんなに早く走れるのかとビックリしました。すごい道具ですね。
そういえば、薬局のカウンターで楽しくお話をされた後に薬だけ持ってシルバーカーを忘れて出て行かれた患者さんもいました。
あわてて追いかけて戻ってきてもらいました。患者さんは「危ない危ない、これがなかったら途中で倒れてるとこやったわ」と笑って帰っていかれました。患者さんには安心して帰って欲しいので、しっかり見送るまでは気が抜けませんね。
シルバーカーをSVCと呼んでいる患者さんに出会った時はなんだかスーパーカーみたいでいいなと思った京都コムファあゆみ薬局 薬剤師 セブンでした。