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事務局日誌

2023年8月31日

薬害根絶デー2023

本部のY(事務職)です。
今年の薬害根絶デーも現地とWebとのハイブリッドでの行動となりました。
厚生労働省前の「薬害根絶の碑」前での全国薬害被害者団体連絡協議会から、厚生労働省への要望書の手渡しが13時から行われ、その前後に文部科学省や厚生労働省との交渉、オン・オフライン集会、宣伝などがありました。
 

 

以下の印象や感想は個人的なものであって、会社を代表する見解ではありません。
 

 

ワクチンをめぐって

今年の集会の特徴は、新型コロナワクチンによる死亡事例のご遺族の訴えがあったことでしょう。
8月22日の報道によれば、累積の健康被害認定=救済件数は3810件、否認件数は553件、接種後の死亡事例の認定は、累計で156件。7月末の段階で4100件を超える審査待ちがあるとのことです。この被害認定件数はコロナワクチン以前のすべての予防接種における被害認定件数の累計よりも多くなったとのことです(川田龍平議員による)。ワクチン接種後のすべての死亡事例が申請されているわけではないはずですので、死亡事例だけでももっと多いと思われます。また、同ワクチンによる数か月以上長期にわたる健康被害もSNSなどでは散見されます。
しかし、死亡事例に限っても新型コロナワクチンとの関連の究明は進んでおらず、解明する体制自体が十分とは言えない状態です。それゆえ、新型コロナウイルスワクチンの有効性や安全性を研究するためのデータベースを整備するよう薬被連から厚労省に要望が出されました。
これについて厚労省は2026年度までに整備できるよう準備を進めているとの説明でした。薬被連代表の花井氏は「本来であれば必死になって早急にやらなければならない。それにもかかわらず相当のんびりしている」と評しています。
 

また、HPVワクチンの積極的勧奨が再開され、同ワクチンの被害者からは、「自分たちの治療方法の発見・開発もされていない」「指定病院では治らない、まともに診てもらえない」「元の健康を返してほしい」「積極的勧奨中止の時から、何も変わっていない」「ひどい副反応があることをしっかり知らせてほしい」との悲痛な訴えが続きました。
 

 

被害と被害者に向き合うことが必要

これらワクチン禍については未だ「薬害」扱いされておらず、被害者は医療機関から無視されたり、見放されたりしてきたこと、またSNSなどでも詐病、デマ、心因性症状の過剰な訴え、反ワクチン・反科学などと罵倒され叩かれてきたことが共通しています。また、原因物質の排出者・管理者やその支持者が安全性をくり返し、(原因が別であっても)被害者の救済が遅れている点は他の薬害や公害と似ているのではないでしょうか。

ワクチンに限らず、薬害被害者や遺族の方々は、「自分たち被害者が声を上げ続けなければ事件は風化してしまい、新たな薬害、被害者が生み出されてしまう、自分たちと同じ苦しみや悲しみを生むべきではない」と訴え続けています。
 

 

薬害はなぜ

薬害を防ぐには、薬害がなぜ起こるか・拡大してしまうかを知り、対処することが大事だと思います。
1) 危険情報の軽視
分かっていた重大な副作用を、製薬会社や監督機関が医療現場に伝えない
2) 適応の不当な拡大、拡販
有用性が認められた範囲を超えて拡販する 3) 販売中止・回収の遅れ  問題が分かった後も売り続ける、それを監督機関が容認する、間違いを認めない
4) 情報の捏造や隠蔽
有害事象を否定したり、薬剤の有効性を過度に評価するような研究を行って、使用を合理化・正当化
5) 被害者差別・症状の無視
被害者の訴えを無視したり、症状を非科学的(詐病)または心因的・精神的なものと見なし、被害者とその訴えを非難しながら、症状と薬剤との関係を精査しない
 

 

医療従事者のみならず、消費者市民もよく気を付けて、また被害を訴える人がいなければ問題がないとみなされるのですから、被害者の声によく耳を傾け続けることが必要だと思います。
 

 

なお、医療機関による処方薬だけでなく、市販の薬であっても、使用によって異常があれば、すぐに使用を中止し医師や薬剤師に相談するようにしてください。また副作用があったら、医薬品医療機器総合機構(PMDA)に報告しましょう(患者副作用報告はこちら)。

なお、副作用の治療や障害は「医薬品副作用被害救済制度」で補助される場合があります。制度の存在を知らない方も少なくありません。被害直後でなくても制度の申請はできます。積極的に知らせて利用しましょう。