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みつばち薬局上賀茂ブログ

2023年3月14日

みつばち便り~コロナの5類への引き下げに関して思うこと~

報道でも大きく取り上げられていますが、コロナの感染症の分類に関して2類から5類への引き下げが検討されています。

5類になった場合、コロナ対策で始まった危機対応の多くはなくなり、通常医療に移行となっています。現在は感染者に原則7日間、濃厚接触者に原則5日間求めている待機も不要になります。この点でいえば会社や医療機関では濃厚接触者になるだけで休まざるを得ないスタッフが減るため、助かる側面もあると思います。

ただ治療と言う観点で行くと疑問が残ります。政府が「4月から5類にするのでマスクは外しましょう」と言ったとして、ウィルスがそれに合わせて感染力を弱めてくれるわけではありません。治療体制に関しても一部報道で「厚生労働省は自治体や医療機関などに患者の受け入れ態勢の早期整備を求める方向」などと書かれていましたが、治療が出来る人数が簡単に増えるとは考えづらい状態です。

理由としては私が話を聞いている限りではコロナ初期とは違い、近隣の医療機関は大なり小なり発熱の患者さんの診察をしている印象です。大体が通常の外来の終わりがけに患者さんを呼んで1人ずつ隔離して診察しています。5類相当となるとインフルエンザ並みの扱いになるので、極端な話、他の患者さんと同様に待合で待ってもらうことも可能になります。ただ恐らくどの医療機関も今まで通り隔離して対策を取ることを簡単には止められないと思います。(他の患者さんに移るリスクがあるのと、自分たちの感染リスクもあるため)5類への引き下げの日ありきで、医療体制のフォローもせず、その状態で感染が増えて医療機関がパンクしないか心配しています。

ちなみに現在はコロナの治療は公費負担となっているため、殆ど費用発生しませんが、段階的に引き下げる方向となっています。コロナ治療で現在よく使われているのは「ラゲブリオカプセル」ですが、薬価が5日間で94312円します。薬代だけでも1割負担で約9,400円、2割負担で1万8,900円、3割負担だと2万8,300円もします!他の治療薬もですが特効薬というわけではなく、症状の持続時間が短くなる効果なので、薬を飲むのかどうかの判断も患者さんそれぞれがしていく必要が出てきます。今のうちから多少考えておいても損はないとは思います。
(文章:みつばち薬局上賀茂店 薬局長 前田裕介)