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薬剤師のつぶやき

2015年4月27日

薬学生の進路

今回は薬学部出身者の就職先について考えてみます。あくまで個人の考えです。

 

薬学部は主に研究者養成をめざす4年制と薬剤師養成をめざす6年制に分かれます。

 

製薬企業等で研究者になるためには、4年制課程修了後に最低でも2年間の修士課程修了が求められます。大学等で教員になるためには、修士課程後の3年間の博士課程修了が必要です。

通常、4年制に進むと薬剤師免許は取得できません(例外あり)。

 

一方6年制は、学士6年間修了後薬剤師免許試験の受験が可能です。

4年時程度から研究室に配属されることが多いですが、5年時の約半年に及ぶ医療機関での実務実習のため、4年制と比べて研究に充てる時間が短くなり、学士修了時点で製薬企業の研究職に進むのは極めて難しいと言えます。

学士後、4年間の博士課程を修了すると研究職・教員職への道が拓けると予想されています。

 

製薬企業の職種では、先に挙げた基礎研究を行う研究職の他に、主に臨床試験に携わる開発職、医薬品情報の収集・提供を行う学術職、医薬品情報担当MR職、医薬品の品質試験を行う品質管理職等に分かれます。

 

一般的に、4年制は研究職として製薬企業に就職し、6年制は薬剤師として医療機関に就職するという考えがあるようですが、6年制にも他の進路はたくさんあります。

 

上述した開発職等では、実務実習により臨床現場を知っているという点で4年制に比べて6年制の方が有利という見方もあります。

品質管理職では、薬剤師免許が必要になることも多いです。その他にも、薬剤師免許を取得していると国や地方自治体の薬学系公務員として就職することも可能です。

 

従って、6年制に進んだからといって必ずしも医療機関で就職するとは限りません。初めから自分の可能性を限定させず、夢をもって幅広い知識や技能を身につけて頂きたいと思います。