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事務局日誌

2024年5月10日

ドラマ「むこう岸」(NHK)

「むこう岸」

本部のYです。
 

インターネットでNHKが配信した予告動画は、私にも結構「衝撃的」でした。この後、ドラマも観ました。
 


(XのNHKドラマアカウント@nhk_dramasの2024年5月7日付ポストより)
 

これは2024年5月6日に放送されたNHKドラマ「むこう岸」の一シーンです。
原作は安田夏菜さんの同名の児童文学書(2018年)です。私は残念ながら未読です。安田さんの「X」(旧 twitter )へのリンクはこちら
 

このドラマの副題は「もと優等生ボーイ・ミーツ・生活保護ガール」で、中学生の少年が生活保護世帯の同級生のために、生活保護制度を調べていっしょに考えるという筋がメインのストーリーになっています。そのほかに、いくつかの筋が絡み合って見ごたえのあるドラマになっていると思いました。
 

 

上の動画は「生活保護を受けているヤツはずるい」「おれたちの税金で養われている」「だから生活保護受給中だとわかるような恰好をしろ」という、卑劣ないじめのシーンです。
日常生活に税金が使われていない人は居らず、払った所得税や住民税・消費税と受給したり利用したりしている税額とを比較してプラスだとかマイナスだとか人物を評価すること自体がナンセンスですが、そういう視点でしか人を見ない人が残念ながら存在します。
 

 

プロボクサーの内藤大助さんを覚えていますか? 内藤さんは母子家庭に育ったそうです。
 

 中学2年のクラス替えを機にいじめが始まりました。…ある日、…同級生が「金返せよ」と言ってきました。もちろん、お金を借りた覚えはありません。
 すると「お前、母子家庭だろ。母子家庭には国から金が出ている。あれは俺らが払っている税金だ」と。…他の生徒からもお金を取られたり、暴力を振るわれたりしました。…
(「読売新聞」2019年3月3日「先生のコトバ<4> いじめから救ってくれた」より)

 


 

特に社会保障にかかわって、払った税金と受け取ったとされるサービス額とを比較して人の存在価値をはかるという考え方の根源の一つは、実は「消費税と保険料とで制度を支える」という日本の改悪された社会保障制度そのものにあるのではないかと思います。
もちろん、生活保護制度が「十分みじめな最低限度の生活」しか保障しないのも問題だとドラマを観て思いました。
 

 

ロングバージョンの予告動画も紹介しておきますね。


(XのNHKドラマアカウント@nhk_dramasの2024年5月4日付ポストより)