みつばち便り~OTCの保険外しについて~
公的健康保険から「OTC類似薬」をはずす動きが強まっています。
OTCは、Over The Counter の略です。医師の処方せんがなくても、薬局で薬剤師、または登録販売者の説明を受けた上で「カウンター越しに」購入できる薬を「OTC医薬品」と言います。政府は、このOTC類似薬を保険からはずし、OTC医薬品にすることで医療費を削減しようとしています。
しかしOTC類似薬は、約7000品目もあります(表1に一部掲載)。解熱鎮痛剤、アレルギー薬、胃腸薬、皮膚科用塗り薬、湿布薬、漢方薬など、日常診療で頻繁に使う薬が多いです。これらが保険からはずされると、地域医療が成り立たなくなる可能性があります。
理由としてまずは金額が高いことが挙げられます。胃酸を抑えるファモチジン10mg錠を例にすると、30日処方(毎日2錠ずつ)で624円。負担割合3割だと、自己負担額は187円です。かたやOTCのガスター10は30日分に換算すると8690円で、その差は単純計算で8503円にもなります。
次に診断の問題があります。身体の痛みに湿布を貼る程度であれば判断が出来るかもしれませんが、「腹痛」を挙げるとそれが胃で起きているのか、腸で起きているのかでも違いますし、腸で起きていても便秘が原因なのか、ガスがたまっているのか、ポリープが出来ているのか、など判断が分かれます。これは薬剤師でも出来ないので、やはり医師の診断は必要だと思います。
最後に安全の問題があります。薬には「副作用(医薬品を使うことによって生じる、有害な事象)」が出ることがありますが、医療関係者以外の方がそれに気づくのはなかなか難しいです。例えばロキソプロフェン錠などの痛み止めを長期で使用すると腎機能に影響が出ることがあるので最小限の使用が望ましいですが、市販薬で買われてしまうとフォローが出来ずに気づけば腎機能の大幅な悪化などに繋がりかねません。
2026年改定で外されることは今の所ないようですが、今後も注意が必要です。
(参照:全日本民医連ホームページ)(文責:前田裕介)
