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学術研修

2016年11月14日

4年目研修 ~災害時医療を考える~

4年目の研修は半日を使って同期6人で災害時医療について学習しました。

初めに東日本大震災の支援に行かれた先輩薬剤師から実際に行った内容や、経験を聞き、災害時にいかにチーム医療が重要であるか、日頃の医療活動の経験が生かされるかを学びました。更に、支援に行く人、支援を出す現場職員に余裕があって初めて実現するものと感じました。

後半は事前学習を元にしたグループワークでお題は2つ。

1つ目は「避難所に支援に行く際の支援物質としてどういった医薬品を選らぶか?」という内容。2チームに分かれてそれぞれ意見を交わす中で、私たちのチームが重視したのは汎用性と緊急性。第1位に選ばれたのはカロナール錠。解熱・鎮痛の使用用途が多く幅広い年齢層に使用される。他は整腸、咳止め等選ばれ、そのあとは慢性疾患が選ばれた。一型糖尿病の方がいることまで想定してインスリン注射も検討。様々に意見が出ました。

先輩薬剤師からは、「避難所で危険なのは感染症であり、感染が疑われた方は医療機関に送るようにしている。慢性疾患の方も処方は3日分程度で、外の医療機関の再開されたところに行って対応してもらうのが原則。支援物質ではほとんど対応しません。」と教えていただき、勉強になりました。

2つ目は「災害に備えて自身らの薬局で事前に備えておくこと」「患者に対して啓蒙する事」という内容。

一般的な「職員間の連絡網」「災害時マニュアルの整備」や「整理整頓」「棚の落下対策」など挙げられ、薬局としては「衛生材料の備蓄」なども必要と意見が出ました。

患者への啓蒙は難しく「お薬手帳の携帯」「自身の病識、薬識を持っていただく」ことなど挙がった。あとは私たち薬剤師が常日頃いかに丁寧に説明するかにかかっているように感じました。

災害時を想定した今回の学習で日頃の業務を振り返ることもでき、有意義な研修となりました。

花ぐるま薬局 宇野