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事務局日誌

2024年2月29日

民医連近畿地協薬剤師交流集会

久しぶりに集合交流集会

本部のKです。
2024年2月12日、京都テルサにて第18回近畿地協薬剤師交流集会が開催されました。テーマは「激動の時代から薬がつなぐ輝く未来へ」です。参加者総数266名の参加で、コロナ禍を経て久々に、近畿の民医連の病院・診療所・薬局に働く薬剤師が顔を合わせた交流になり、盛り上がりました。
 


 

PFAS汚染にどう立ち向かうか

午前中の特別講演は、「PFAS汚染にどう立ち向かうか?問題の所在と解決に向けて」京都保健会の社会健康医学福祉研究所の所長である小泉昭夫京都大学名誉教授に講演して頂きました。
 


 

PFASの用途は米軍基地の泡消火剤をはじめとして、半導体、建築資材、また身の回りの撥水加工品など多様性に富みます。現在、全国の河川の調査で、PFASによる環境汚染が明らかにされ問題になっています。
米軍基地の泡消火剤の環境汚染は深刻で、平和や基地撤去の取り組みが必要な所以です。
 

京都市内の調査でも、水質に問題がなさそうなのにPFASの血中濃度が高い例があり、空気中に漂うPFASを肺から取り入れてしまっている疑いも考えられるとのことでした。なお、水道のPFAS等の除去は活性炭を用いた浄水器によって効果的にできるとのことです。一方で産業廃棄物として野積みされた活性炭からPFAS等が滲出して、河川を汚染している地域もあり、排出者の特定や規制が必要です。
 

PFASの化学的性質は非常に安定しており、分解されにくいにもかかわらず、分子構造が脂肪酸に似ているので、人体に入ると構造を変えることなく、腸から何度も再吸収され何年も体内に留まり続けます。(薬剤師が聴講者なので、もっと詳しく代謝などについて解説していただきました。) PFASは発がん性もがあることが明らかになっています。私たちはSDHの視点でこのPFAS汚染問題を捉え、日常の医療活動の中で粘り強く取り組むことが必要だと述べられました。
 


 

また、「食品安全委員会による評価書」案は、これまでの欧米での先行調査を採用せず、PFASによる発がん性、体重抑制、免疫毒性を軽視するような基準値を採用していることが問題であると話されました。これに対して、パブリックコメントの提出(締め切り2024年3月7日)を呼びかけられました。発がん性がはっきりしているのに、欧州食品安全機関(EFSA)が採用する摂取許容量よりも大幅に上回った許容量を採用するなどあり得ないことです!

 

 

★PFASの問題と民医連の取り組みに興味のある方はこちらのリンク先の記事もお読みください。
新たな公害PFAS汚染に立ち向かう民医連(いつでも元気 2023.11 No.384「70th民医連ANNIVERSARY」より)
 

 

ランチタイムに

さて、ランチタイムには、パレスチナ・ガザ地区とイスラエルの停戦を求める訴えを行い、全日本民医連作成の平和学習動画「語り継ぐ戦争~戦争体験者からあなたへ~」を視聴しました。
食後のコーヒーにと、ジャンボリー(民医連の事業所で働く青年の交流活動)の活動でコーヒ販売がなされ、売り切れるほどの大盛況でした。その傍らには、コーヒー代のおつりは「能登半島地震への義援金箱」へと、立て看板と募金箱を設置しました。(ガザ募金、能登半島地震義援金、ジャンボリー活動資金に協力してもらいました)
 

 

分科会

午後からは、「タスクシフト・タスクシェアリング」「医療安全」「コロナ禍での薬剤師活動」「地域連携」「薬害」の5つの分科会に分かれて薬剤師の活動の交流を深めました。


最後は、次回の開催地である兵庫民医連にバトンを渡して無事に終了しました。