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健康・お役立ち情報

2018年12月28日

自動車運転に注意が必要な医薬品について

飲酒運転による悲惨な事故の増加により、近年罰則が強化されていますが、医薬品にもその副作用などにより、「自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事しない、もしくは注意する」必要があるものがあります。

 

眠気を起こす事が

ある薬

くしゃみ鼻水、かゆみなどのアレルギー症状抑える薬には眠気を起こすものが多くあります。風邪薬や花粉症、かゆみ止めなどで使われる薬で、眠気を感じる場合は運転を控えてください。他にも一部の咳止めや不安を抑える抗不安薬、抗うつ薬、抗てんかん薬も眠気を起こす可能性があります。睡眠薬も翌朝になっても眠気が残る場合があります。一部の痛み止めにも眠くなる事があるものがあります。
定期的に服用する必要のある薬で、日中の眠気が強い場合は主治医に相談が必要です。
一部のパーキンソン病の薬には突発的に眠ってしまう場合があり、実際に事故の報告があり、特に注意が必要とされています。

めまいや立ちくらみを

起こす事がある薬

血圧を下げる降圧剤が効きすぎた場合、めまいや立ちくらみを起こす事があります。ただし、血圧が高すぎるのも運転や危険作業にはリスクを伴います。毎日、血圧を測定し、結果を残す事で体調の異変に備える事が大切です。前立腺肥大の一部の薬にも起立性低血圧を起こす事があり、注意が必要です。

低血糖を起こす事が

ある薬

糖尿病に使用する血糖降下薬の場合、食事が遅れたり、薬のタイミングが遅れたりすると低血糖を起こす事があるため、規則正しい生活と指示通りの薬の使用を守るようにしてください。あらかじめ、低血糖症状(冷や汗、強い空腹感、震えなど)に備え、角砂糖や飴、ブドウ糖などを用意しておきましょう。

視覚障害を起こす

可能性がある薬

腹痛を抑える鎮痙薬や目の調整機能に作用する目薬、一部の緑内障の目薬は使用後、一時的に物がかすんで見えたり、光がまぶしく感じたり、暗く感じることがありますので、症状が回復するまで運転は控えてください。一部の抗真菌薬でも服用中に同様の事を起こすものがあります。

個人により病状も異なり、生活に車が欠かせない方もいる事を考えると。一律に運転を禁止するのも問題があると議論されている薬剤も多くありますが、悲惨な事故を防ぐためにも、運転や危険作業に注意が必要な薬が処方されているという認識は必要です。日常的に運転や危険を伴う作業をされている方は、薬を処方される時に医師に確認していただくか、お薬を受け取るときに薬剤師にご相談ください。

 

(この記事は吉祥院健康友の会の「友の会だより」2019年冬号に「あゆみ薬局だより」第97報として掲載されたものです)