コムファリレー コムファリレー

旧コムファリレー

薬局日記

2013年4月15日

在宅患者さんのカンファレンスその3

 

なごみ薬局・のぶさんです。

すっかり桜も散ってしまって、5月に咲く藤がずいぶん大きくなっていますね。

 

難しい症例のカンファレンスがあると

明るいネタも楽しく書く気分になれないので、診療所のカンファレンスの事例おつきあいを。

 

FKさん・男性・80歳代。

中身の難しい(解決の糸口が見つけられない)カンファレンスでした。

 

妻は約10年前に糖尿病のため死亡。以後タバコ屋を営みながら一人暮らし。

子供は娘ばかり3人。いずれも結婚し家庭がある。

現在は事情があって三女とその子(中学生の女子)とFKさんの3人でタバコ屋に住んでいる。

同居しているのは三女だけれど、キーパーソンは看護師の次女。(今は体調を崩して休職中)

カンファレンス.jpg

(※注 カンファレンスの資料の見本です。本文とは関係ありません)

FKさんには認知症があり、三女はその対応に苦労している。

認知症の周辺症状によって攻撃性が増し、FKさんは三女さんにきつくあたる。

家での介護が難しいので施設に入ってもらえればうれしいが、今のFKさんの状況だと

タクシーに乗って施設から帰ってくるのが目に見えている。

デイサービスには無理やり行ってもらっているが、本人は行きたくない。

お風呂にも何とか家で入れるし、話し相手が居ないので面白くない・のだとか。

 

主治医の説明では「認知症の程度は今現在中程度。これからまだ悪化する。

悪化するが動き回ることはできなくなるので、介護はやりやすくはなるはず。

悪化のスピードは人それぞれなので何とも言えず、早い人も居れば、

ゆっくり進む人も居る。

どれだけの期間我慢しなければならないか申し訳ないがわからない。

認知症の薬を処方しているのでそれをきっちり飲んでもらってほしい。

攻撃的になっていることに対して漢方薬を試してみたいので

新しく処方する」と言うものだった。

 

家族が居るので家事援助のヘルパーは入れられず、

身体状況も援助が必要なわけではないので身体介護のヘルパーも入れられない。

すべてに見守りが必要で、けど手出しする必要はない。

家族にはつらく当たるので出来れば家族と離れる時間を持った方が良い。

薬は本人が拒否していて、残薬多数。

三女ががみがみ言うとまたFKさんは怒り出して余計に意固地になって飲まない。

主治医より再度「認知症の薬と攻撃性を緩和するかもしれない漢方薬はがんばって飲んでもらってほしい。」三女さんも「はい。わかりました」と。

 

結果新しいサービスを入れるようにしたのかどうかは見届けられず。

 

難しいカンファレンス。解決の方向は見えないまま。

IMG_0630.JPG

それでも熱血薬局長の方針でできる限りカンファレンスに参加するなごみ薬局でした。