コスモス薬局 コスモス薬局

こすもす日和

2019年9月6日

北海道「べてるの家」見学!!

コスモス薬局の松田です。

日本発達障害学会(札幌)に参加しました

作業療法士の友人が札幌の北星学園大学で行われる日本発達障害学会でポスター発表するので私も参加。障害者権利条約の原則「私たちのことを私たち抜きで決めないで」(同条約前文)、特性(障害)に合った支援(配慮)があれば、生きづらさがなくなる「合理的配慮」という言葉は新鮮でした。

凸凹フューチャーセンター」(京都)というグループのラウンドテーブルにドキドキしながら参加。
当事者、支援者入り混じっての交流は、グラフィックデザインを用いて進行。黒板に、字よりもポップなイラストが描かれて進行する会議は、視覚優位の特性の人には理解されやすいんですって。

その打ち上げでマンション1室を借りて餃子やホッケを焼いてわいわい。
コンサータを服用すると半日は嘘のように体が楽になり、集中力が出るので仕事ははかどる。だけど自分でない感覚があるので、ずっと服用を続けることに困惑があると。子どもが服用してないと注意が散漫になって親はすぐに分かるようです。そういう感覚を持って生きているんですね。



「べてるの家」に行きました!

次の日、北海道の浦河にある「べてるの家」の見学に行きました。(写真はべてるの家のFacebookから。)
「べてるの家」は、1983年「精神障害で町おこし」をスローガンに、地域から隔離して入院させるのでなく、困ったことがあれば一緒に共有しようと始まりました。「病棟から地域へ」、地域医療の最先端でした。
特産品である日高昆布の袋詰め作業中は「手を動かすより口を動かせ」。
問題を出し合う場ではなく、お互いを励ましあう場としての「三度の飯よりミーティング」。
「安心してさぼれる職場づくり」という理念のもと、調子がよくない時はかわってほしい、助けてほしいと伝える「弱さの情報公開」。
「ベてる」の活動についてたくさん本が出ています。それを読むと幻聴のある人の生きづらさに気づかされます。「ベてる」では幻聴を「幻聴さん」と愛称で呼び、キャラクター化しているとても身近な存在。



「幻覚&妄想大会」が面白い。UFOに乗って宇宙に行こうという声に誘われて、えりも岬に向かったものの、途中で「べてる」の仲間たちに「UFOに乗るには運転免許が必要だよ」と引き留められたなど、つわものどもの活動発表がいっぱい。精神障害の人を怖いと思うのは健常者の妄想だとか。

「自分を助ける」「対処法を知る」をテーマに、病気を医者任せにせず自分で向き合い、幻覚や妄想と仲良く付き合っていく方法を仲間たちと話し合う「当事者研究」。毎週開かれているので参加してきました。
ソーシャルワーカーの穏やかな語りと、当事者を囲む仲間の当事者たちのあたたかい言葉で進行していきました。認知行動療法の1つです。
研究のため自分で病名をつけ、名札にも書いてオープンな空気を感じました。例えば「統合失調症金欠ウォーキング型過去引きずり女タイプ」。
医療の現場では幻覚や妄想を聞くことはタブーとされ、薬で抑え込むべきと考えられていました。しかし薬の飲み過ぎは生活の質が下がり、頭がうまく回らないなど社会復帰が難しく、「べてる」は薬を使わない方法として「当事者研究」を生み出しました。すごい。





「べてる」の人たちが作成した「服薬アドヒアランス」というDVDを購入。なかなか深い話。
服薬について

  1. まかせる(放任するのでなく支援しながら見守る)
  2. 自分を助ける手段としての服薬(自分の助け方が分からないひとが多いので)
  3. 仲間を活用する(薬については仲間の当事者たちが一番知っている)
  4. 自分の研究テーマとして取り組む(人任せ、専門家任せにしないで自分でこつこつと)

が大事と言われていました。受診の時におとなしく座っていい子になってるより、医者に文句の一つも言えた方がいいと。なるほど~。




「生きづらさ」を「ユーモア」に転換する技が満載の「べてるの家」でした。北の大地の上に立ちどこまでも広がる可能性を感じ、私の心もほっこりしました。



北海道!

文字を使わず、語りや儀式などで受け継がれてきたアイヌの歴史を資料館で満喫。
北海道に来たのに、北海道らしいものを食べてない!と気づき、空港でソフトクリームをかけこむように食べました。最後に一種の妄想(食い意地?)にとりつかれた旅となりました。





「べてる」でいちごの作業に潜入。友人が書いたグラフィックデザイン。うまい!

 

快晴!。牧場の宿の朝、馬の牧場のはずが鹿の群れが牧草を盗み食いしていた。よくある光景だそう。

こちらは本家の馬さん。

 

牧場の宿のオーナーからもらったミニトマトとアスパラガスを塩ゆで、うまい!。

そしてスープカレー。