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2018年9月4日

HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)薬害訴訟大阪第8裁判期日

平成30年9月11日にHPVワクチン薬害訴訟第8回期日が行われました。HPVワクチン薬害訴訟とは、HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)を接種した後に、頭痛や関節痛などの身体の激しい痛み、痙攣や記憶障害などの様々な症状が生じ、治療法もわからないままに社会生活に支障をきたした被害者たちが、ワクチンを製造した製薬会社と、ワクチンを認可した国の責任を明確にし、救済を求めるために起こした裁判です。現在、大阪だけでなく、東京、名古屋、福岡で裁判が行われています。
今回はまず原告の22歳の女性が自らの体験を法廷で訴えました。中学3年生でワクチンを接種し、脱力感や痙攣、麻痺に苦しむ中、看護師になりたいという夢をかなえるために、必死で努力したのに、その夢が途中で絶たれようとしている無念さを語りました。最後に安全なワクチンをもう一度しっかりと考えてほしいと訴えました。
原告の弁護団は毎回裁判の中で被告の責任を訴えていますが、今回は国が行ったHPVワクチンの情報提供の方法とその問題点を追及しました。国が推し進めた緊急促進事業によって、各自治体でお知らせ文書や個別通知が接種対象者に送られた結果、ワクチン接種率は80%を超えました。しかし、副反応が各地から報告されるようになって接種の積極的干渉を控える通知をしたところ、接種率は1%以下になりました。これは、国や自治体の通知がいかに影響力のあるものかを証明するものです。お知らせ文書や個別通知には、ワクチンの効果を過剰に評価したり、正しい情報を記載していなかったり、重篤な副反応の記載がないものがほとんどで、情報提示の在り方が違法であると述べました。
被告A社の弁護士は子宮頸がんの罹患率、死亡率がほかの癌と比較して増加傾向にあることや、手術後も妊娠が困難になったり、再発リスクがあることを理由に、ワクチンによる1次予防が重要であると訴えました。
被告B社の弁護士は原告の主張は医学的、科学的エビデンスを示しておらず、仮説や症例を述べているにすぎないと反論しました。
裁判後の報告集会では、スモン薬害被害者の方の意見や、支援の会の医師の意見が聞けました。スモン薬害被害者の方は、被害者が高齢化し医療は無償だが、介護は無償ではないことを挙げ、和解の際は将来のことも考える必要があると語りました。支援の会の医師は、HPVワクチンによって引き起こされる多様な症状(HANS)について、さまざまな研究が行われており、重層的に現れる多様な症状、遅発性に現れる症状の要因などが明らかになってきている。今後の疫学調査に期待していると語りました。
原告弁護士は、HPVワクチンによって現れている症状は、将来的には因果関係が必ず証明されるものと信じている。しかし、今、症状に苦しんでいる少女たちの貴重な時間は取り戻すことができない。早期に裁判を終結させ、救済に動き出さなければ少女たちが救われないと、強く訴えました。
期日は今後も続きますが、進まない裁判にもどかしい気持ちが拭えません。10代、20代の貴重な時間が失われていくことが辛い。1日も早く救済され、少女たちが将来の夢をかなえられるよう支援をしてもらいたい。
花ぐるま薬局 K.U