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花ぐるま薬局ブログ

2019年3月15日

当薬局のプレアボイド事例集計

こんにちは、花ぐるまよし子です。
今回は2018年における当薬局のプレアボイド事例集計結果をご紹介します
そもそも「プレアボイド」って何?と思われるかもしれません。「プレアボイド」とは、医療現場の薬剤師が、薬物療法に関して患者さんの不利益を回避し、最小限にとどめるために行った実例報告です。処方箋に記載されている処方薬情報のみから発生する疑義照会(先生への問い合わせ)はプレアボイドとされておらず、薬剤師が薬歴やカルテ、患者情報や会話を発端とする疑義照会が該当します。

平成30年1~12月では、疑義照会(FAX)2,469件中プレアボイド事例は39件ありました。内訳としては、39件中、特殊病態(腎機能低下)での介入事例が最も多く11件、次いで処方漏れ・中止漏れ・変更漏れ回避事例が8件、禁忌薬の処方回避及び副作用対策が各4件、誤転記・誤処方への介入が3件、重複投与回避及び併用禁忌が各2件、同種同効薬重複回避・過量投与回避・併用注意回避・検査に伴う休薬誤指示回避・不要薬中止が各1件となりました。

事例紹介
【副作用回避 低血糖の重篤化回避】
80代糖尿病薬服用患者。臨時で経腸栄養剤エンシュアリキッド®が処方された際に採血結果を医療機関に確認したところ、当日の採血結果が血糖値40mg/dL(低血糖)、HbA1c 5.6%と確認。検査値から定期処方の糖尿病薬グリメピリド2mgとジャヌビア®100mgの中止を提案し、グリメピリド2mgが処方中止。

 

 

【副作用未然回避 腎機能に応じた投与量推奨】
⇒80代腎機能低下患者、Ccr32.8mL/min。抗不整脈薬ピルシカイニド150mg分3処方あり。推奨は50mg分1だが、「他院医師からの指示で150mgの処方にしている。他院医師に問い合わせをする」と返答あり。その際は処方変更されなかったが、その後150mg→75mg分3に減量。

【重複処方による過量投与防止】
帯状疱疹治療剤アメナリーフ®の処方があった際に、他院からも既にアメナリーフ®が処方され服用していることを投薬時お薬手帳にて確認し、処方削除。

【誤処方回避】
睡眠薬ブロチゾラム→抗てんかん剤マイスタン®に処方変更されていたが、薬歴よりてんかん患者ではなかったため、誤処方を疑い問い合わせ。睡眠薬マイスリーに処方変更。

こちらの内容については2019年京都民医連学術運動交流集会にてポスター発表致しました。