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薬剤師のつぶやき

2015年4月15日

調剤薬局で働くということ

コムファリレーの順番が回ってきましたが、最近「働くこと」について考えることが増えたのでつらつらと書きたいと思います。

 

現状、薬学生の殆どが病院か調剤薬局に就職しているのではないかと思います。

病院と薬局の大きな違いというのはやはり注射薬なのではないでしょうか。

自分も調剤薬局務めて長くなりますが、正直殆ど分かりません。

また、学術的な分野にも秀でているのではないかと思います。医師と密にやりとりをすることが増える分、色々な文献を読んだり、病院内のチーム医療に参加したりなどし、薬剤師としての専門性が増すのだと思います。

 一方で、調剤薬局ではどうでしょうか。

薬に関しては病院薬剤師よりは範囲が狭いですが、薬以外にも医療保険や(在宅をやっていれば)介護保険の知識が必要です。

また、患者さんとのコミュニケーションも必須です。

病院と違って家に住んでいるので、自分でOTCや健康食品を買ったりもしますし、規則正しい生活をしていない人もいるのでその生活を聞いたうえでの指導が必要ですし、

薬がまずきちんと飲めているか、自己流の飲み方で飲んでいないかなど「その人自身」を見る必要があるのではないかと考えています。

さらに在宅に行くと自分で患者の生活を見られるので把握もしやすく、他の医療・介護スタッフとのやり取りも出てくるので病院とはまた違った意味で仕事として充実してくるのだと感じています。

 自分は大学生の時に飲食店で接客のバイトを3年間してきましたが(コミュニケーション能力を鍛えたかったため)、調剤薬局に応用できる部分も少なくないなと感じています。

まず、処方箋を受け取ってから患者さんに薬を渡すまで。基本的には入力、調剤、監査&指導と役割分担はなされています。

ただ、みつばち薬局では人数が少ないのでダブルチェックをするために調剤と監査を別の人がしようとすると、同じ人が調剤ばかりしてしまっていては途中で必ず流れが止まってしまいます。

そのため、その場の状況に応じて調剤や監査を入れ替わったり、調剤している人が指導だけ請け負ったりするなど「組織的に」「流動的に」動く必要があります。

この辺りはバイトで培ったので就職してからもすんなり入れました。

組織的に動くために一人一人がその場の状況をある程度把握する必要がありますし、どうしても見えない部分は出てくるのでどの時々で声掛けをするなどスタッフ間のコミュニケーションも必要です。

そして、組織としてまとまるにはそのような動き方をスタッフ全員が理解していないといけないことです。そのための動き方を逐一修正していく必要があるのかなとは感じています。

 あと応用できるのはトラブル時の対応かなと思います。

飲食店ではお客、薬局では患者さん相手ですが「初期対応」というのは非常に重要だなと思います。

まずはご迷惑をおかけしたことをお詫びして相手の怒りを鎮め、そして相手が何を求めているかを聞き出す。

 

これが意外に難しいです。

 

どうしても「自分がミスしたことを認めたくない」という気持ちや「自分のミスじゃないと」いう思いで「まず謝る」ということが出来ないスタッフが自分を含め特にバイト時代に非常に多かったです。

今はちょっとは出来るようになったと思っています。

 他にも「なるべく待ち時間は短くしないといけない」など多少サービス業と似た部分もある調剤薬局ですが、

やっぱり「似て非なる」ものであるので医療人として譲れないラインにははっきり「NO」を言わなければなりません。

例えば患者さんが薬の間違った使い方している時とか、処方箋なしで薬をくれと言われたり。これがなかなかストレスです。

出来ることなら患者さんに良い顔をし続けていたいのですが(苦笑)

 ただ、トラブルがすっきり解決すると大体その患者さんとは仲良くなります(笑)なあなあな関係にせず、お互いはっきり物を言い易い信頼関係を築いていくのもこれはこれで楽しかったり。

 職場の人間関係も良好だし、なんだかんだ楽しくやらせてもらっているのかなとは思っています。

という訳で今回はこの辺りで。「働き方」第2回はあるのかどうか。気分次第ですかね。

 

みつばち薬局上賀茂店 ドラ吉