高血圧と食習慣
本部のTです。
寒さも厳しくなってきましたが、いかがお過ごしでしょうか?
冬は血圧も上がりやすいので、心配だという方もおられるかもしれませんね。
高血圧の治療には適切な食習慣、特に減塩が重要です。塩分を1日6g未満に控えることを日本高血圧学会は推奨しています。
また、食塩摂取量を1g/日減らすと、収縮期血圧で約1mmHg強の降圧が期待できるとされています。
とはいえ、塩分を減らすと物足りなくて、なかなか減塩できないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
減塩のコツの一つとして、旨味成分を上手に活用することが挙げられます。
旨味成分とは、カツオ節、煮干しなどに含まれる「イノシン酸」、昆布やトマトなどに含まれる「グルタミン酸」、干ししいたけなどきのこ類に含まれる「グアニル酸」、貝類に含まれる「コハク酸」などです。
旨味成分が入っていると、少量の塩分でも塩味が強く感じられ、60%減塩したスープでも美味しく感じられると報告している研究もあります。
ただし、一般的な旨味調味料には、少量ですが塩分が含まれているので、こちらも摂り過ぎには注意が必要です。
やはり自然の食品からの旨味で、減塩できると良いですね。
その他にも、コレステロールや飽和脂肪酸の摂取を控え、野菜・果物の積極的摂取(カリウム制限が必要な腎障害患者さんを除く)、魚の積極的摂取が推奨されています。
高血圧に限らず、生活習慣病は食習慣が病気の治療にとても大切です。
あゆみ薬局では12/8に栄養相談会を開催するので、食習慣について気になることがある方は是非いらして下さい。↓
https://www.kyoto-compha.or.jp/ayumi-blog/2020/11/20201124164728.html
参考文献
- 日本高血圧学会『高血圧治療ガイドライン2019』
- Hayabuchi H et al. “Validation of preferred salt concentration in soup based on a randomized blinded experiment in multiple regions in Japan-influence of umami (L-glutamate) on saltiness and palatability of low-salt solutions” Hypertens Res. 2020 Jun;43(6):525-533.
- 「All About 健康・医療」https://allabout.co.jp/gm/gc/469262/