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薬局日記

2016年3月9日

思い出のカルテ整理

あゆみ薬局に電子カルテが導入されてから約2年がたちます。

懐かしき紙カルテ・・・

と、いうわけではありません。

今でも在宅訪問のカルテや、注意事項の多い外来カルテは、紙カルテなのです。

 

今回の主役は、未来局カルテ。

もちろん未来のカルテではありません。「未だ来局されていない」カルテです。

来局されない理由は色々です。

「健康に過ごし、薬物治療の必要がない。」という喜ばしいものもあれば、

「引っ越ししたので近くの医療機関に変わりました。」という納得のもの、あり、

「病院・薬局への不満」という申し訳ない理由のものもあります。

様々な理由は“中断チェック”を語ってくれる職員にまかせるとして、

カルテ保存期間を過ぎた未来局紙カルテを処分するという作業を紹介したいと思います。

(カルテが処分されても、薬歴データは残ります。)

 

未来局紙カルテ処分作業をしていると、当然、懐かしい人たちのカルテを目にします。

あゆみ薬局を長くご利用いただいていた方、個性あふれる方、

会うのが楽しみだった方、苦手だった方(すみません)、

一緒に笑ったり、助けて頂いたりした方、自分の対応に悔いの残る方、

カルテを開くと思い出がよみがえります。

 

未来局の理由・・・・「死亡」

残念ですが、もちろんあるのです。

特に在宅訪問をしていた方では、その事実が明らかになることが多いです。

 

話をしている時がとても生き生きしていて、学生実習や会社訪問の学生さんとの訪問先に真っ先に選ばせていただいていた Y.T.さん。

色々問題もあったけれど、イベントのお祭りで一緒にビールを飲んだN.K.さん。

在宅訪問ではありませんでしたが、元の病院とは別の病院に入院しながらも、薬局にお茶を飲みに来て、「来た事、みんなに言うといてや」と笑顔で話されていたK.K.さん。

 

もう来局されることのない方々の思い出がつまっています。

 

 

 

そんな中、丁度カルテを処分したばかりの患者さんに再会できることになりました!

配薬依頼です!

 

物腰柔らかで、可愛らしい笑顔をされるA.F.さん。白衣を着ていなくても、道で出会うと名前で呼んで声をかけてくださいました。在宅訪問でしたが、元気になられて外来通院にかわり、その後都合で他院に通院されていました。

 

外来通院だった方が“往診・配薬”、ということは、状態が悪くなったということ。

それは喜べることではありません。

でも、未来局カルテを整理したばかりの私が真っ先に思ったのは、

「生きている!」ということでした。

 

おかえりなさい。また会いに行きますね。

 

“未だ来局されていないカルテ”のお話しでした。

 

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