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事務局日誌

2019年4月2日

桜の季節 / 副作用データベース


桜にまつわって、さまざまに歌われて来ましたが、松尾芭蕉の「さまざまの事おもひ出す桜かな」が一番好きな本部のYです。

この春は子どもが高校に進学です。写真は大覚寺の北の嵯峨天皇陵付近からの眺望です。

 

調剤業務のあり方について
厚労省から「調剤業務のあり方について(PDF)」というのが発表され、薬剤師でない職員が何をしてかまわないか・良くないか、ある程度明示されました。この4月2日付けです。
https://www.mhlw.go.jp/content/000498352.pdf

 

 

副作用データベース
最近、VigiAccess というサイトがあるのを知りました。このソースはWHOのVigibaseというデータベースから取っているとのとです。こちらの方には「一般のビジターからのVigiBaseの統計閲覧は、VigiAccessのwebsiteより検索インターフェイスを通じてアクセスが可能です。ただし、一般閲覧用のVigiAccessは、副作用が疑われる医薬品やワクチンについての限定した統計の要約資料となっております。」とありますから、VigiAccess に掲載されている数字はそれなりに根拠のあるものなのでしょう。

そして、この VigiAccess で Gardasil とか Cervarix (子宮頸がんワクチン、HPVワクチン)を検索しますと、今日でしたら91764件の副作用・副反応報告が上がっていることがわかります。実際に接種した人数からすると報告はごく僅かなのかも知れません。世界中で9万人以上の接種者について報告されていて、「Adverse drug reactions (ADRs)」(有害反応)の数の合計は20万件以上ありますから、1人について複数の有害反応が現れていることがわかります(1人につき2.34件)(2019年7月編集)。

件数が有害反応の数ではなく人数で、1人につき複数の有害反応が登録されているということは twitter で@september7357さんに教えていただきました。ありがとうございます。また、健和会 臨床・社会薬学研究所の資料「HPVワクチン副反応疑い報告の日本・英国・WHOの実態」(PDF 別ページが開きます)も御覧ください(2019年7月11日追記)。

ちなみに、どちらの薬剤で検索しても同じ結果が出ます。

 

出てきた結果の「Adverse drug reactions (ADRs)」をクリックすると副作用の内容が分類されています。「General disorders and administration site conditions」というのが49162件と一番多く、疑われている自己免疫系「Immune system disorders」の報告件数は1937件と少ないです。自己免疫の症状かどうかの診断が難しいのかも知れませんし、実際に少ないのかも知れません。
次に多いのが「Nervous system disorders」神経障害で、40035件です。この内容が(表題だけなので実際はわからないですが)、私のような事務員の素人目には深刻です。詳しい人に、もっとよく調べて教えていただけたらと思います。

 

「神経障害」の内容をWeb翻訳に掛けたものを紹介します。この情報だけでは一過的なのか、長く続いたのか、いつ発症したのかはわかりませんが、すぐに良くならなかったものだとしたら大変なことです。いずれも失神や意識喪失が多いのも気になります。
頭痛(13561)、めまい(11897)、失神(9013)、意識喪失(3766)、発作(脳卒中?)(2979)、感覚減退(2730)、感覚異常(2588)、振戦(1889)、失神性めまい(1790)、集中力の障害(?)(1162)、片頭痛(1015)、眠気(983)、ジスキネジア(不随意運動の一種)(925)、無気力(892)、記憶障害(813)、感覚障害(623)、刺激に反応しない(576)、認知障害(477)、てんかん(461)、全身性強直間代性発作(445)、麻痺(436)、顔面神経麻痺(419)、過眠症(401)、意識の落ち込んだレベル(384)、記憶喪失(376)、多発性硬化症(359)、ギランバレー症候群(340)、言語障害(332)、灼熱感(325)、起立性不耐性(323)、低緊張症(318)、バランス障害(315)、トニッククロニックムーブメント(不随意運動の一種?)(281)、末梢神経障害(274)、自律神経系の不均衡(268)、対麻痺(267)、めまい姿勢(264)、異形成症(241)、運動障害(220)、意識状態の変化(216)、神経痛(214)、精神障害(209)、神経系障害(203)、視神経炎(199)、構音障害(197)、感覚喪失(196)、発作のような現象(187)、知覚過敏(182)、単麻痺(175)、複雑性局所疼痛症候群(169)、その他

 

副反応で苦しんでいる人たちの原因や治療が一日も早く解明開発されて、疎外され失われた「春」が戻ってくることを願ってやみません。