CYP関連のまとめ(国試対策)
本部のTです。
今回は薬剤師国家試験対策としてCYP・P-糖タンパク質を阻害する医薬品およびそれに影響を受ける医薬品をまとめましたので、参考にして下さい。
太字の部分をしっかり覚えれば、CYPとP-糖タンパク質に関連する相互作用についての問題には対応できると思います。
もともと5/17の記事に書いていたものを独立させた記事ですが、語呂合わせも追加していますので、活用してみてください。
*1 イミプラミンはCYP2D6によって代謝されると不活性化しますが、CYP1A2によって代謝されると、より活性の強いデシプラミンとなります。そのため、CYP2D6が阻害されると作用が増強する一方、CYP1A2が阻害されるとデシプラミンの血中濃度が低下するため、作用が減弱します。
クロピドグレルはCYP2C19により活性代謝物となるため、CYP2C19が阻害されると、作用が減弱します。
またコデインは、CYP2D6によりモルヒネとなって効果を発揮するため、CYP2D6が阻害されると作用が減弱します。
*2 マクロライド系抗菌薬はCYP3A4によって代謝されるとともに、CYP3A4のヘム鉄に共有結合し、不可逆的にCYP3A4を阻害します。一方、アゾール系抗真菌薬とシメチジンはCYPのヘム鉄に配位結合することにより、可逆的にCYPを阻害します。その他のCYP阻害の多くは競合阻害によるものです。
P-糖タンパク質を阻害する医薬品と影響を受ける医薬品
阻害する主な医薬品 |
影響を受ける主な医薬品 |
作用・副作用の増減 |
・HIVプロテアーゼ阻害薬
・マクロライド系抗菌薬 ・アゾール系抗真菌薬 ・ベラパミル ・キニジン |
・ダビガトラン
・ジゴキシン ・リバーロキサバン ・タクロリムス ・シクロスポリン |
増強 |
P-糖タンパク質に関連する薬品はCYP3A4に関連する薬とだいたい同じです。あとはP-糖タンパク質を阻害する薬品としてベラパミル、影響を受ける主な医薬品としてはダビガトラン、ジゴキシンを覚えておけば国試対策としては十分でしょう。語呂合わせ:ベラの旅路
CYPおよびP-糖タンパク質を誘導する医薬品
リファンピシン、カルバマゼピン、フェニトイン、フェノバルビタールや健康食品のセントジョーンズワートは、ほぼすべての種類のCYP(CYP2D6を除く)およびP-糖タンパク質を誘導し、ベンゾジアゼピン系薬剤などの医薬品の代謝・排泄を促進します。
また喫煙は、CYP1A2を誘導するため、テオフィリンなどの代謝を促進します。
最後に語呂合わせをご紹介。覚えるのに活用してください。
ネットで検索すれば、他にもいろんなゴロがあるので、覚えやすいものを活用してください。
CYP2C9のゴロ
CYP3A4のゴロ
ちょっと無理やりですが…(笑)
ちなみに、勉三とシンバはアニメのキャラクターですね。
関連する国試問題として、105回問272-273、103回169-194、106回228-229の解説記事もありますので、ぜひ解いてみて下さい。
また、CYPに関連する108回国試の予想問題も作っていますので、こちらも是非御覧ください。
↓他の国試関連の記事も、よければ参考にしてください。