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学術研修

2023年12月26日

クローン病と潰瘍性大腸炎

本部のTです。
今回は炎症性腸疾患であるクローン病と潰瘍性大腸炎についてまとめました。
薬学生に向けた国試対策の記事ですが、クローン病と潰瘍性大腸炎について知りたい方もぜひご一読ください。

 

 目次

 

クローン病と潰瘍性大腸炎のまとめ

 まずクローン病と潰瘍性大腸炎について表にまとめてみました。赤字の部分が特にクローン病と潰瘍性大腸炎とで異なる部分です。

 

クローン病

1. クローン病とは
 原因不明の肉芽腫性炎症性病変です。病変部位は消化管全体で、口腔にはじまり肛門にいたるまでの消化管のどの部位にも炎症や潰瘍が起こりえますが、患者さんにより小腸型、大腸型、小腸大腸型など病変部位は異なります。
 原因は不明ながら、自己免疫異常が関わっていると考えられています。
 好発年齢は20歳代を中心とする若年者です。

 

2. 症状
 主に腹痛、下痢、発熱などが起き、腸管の穿孔、狭窄、肛門部病変(痔瘻)、口内炎、血便、貧血が起きる場合もある。

 

3. 経過
 クローン病は、根治はできず、症状が増悪する「活動期」と、症状が治まっている「寛解期(緩解期)」をくり返します。現在は治療により、寛解期を長く保つことが可能となっています。

 

4. 病変部の特徴
 病変部は非連続的です。つまり炎症や潰瘍が連続しているのではなんく、「炎症-正常部-炎症-正常部-炎症」のように間に正常部が挟まります。これが飛び石のようなので、飛び石様病変と呼ばれます。

 また腸の縦方向に潰瘍ができる縦走潰瘍腸の粘膜に敷石を敷いたようにみえる敷石状病変が特徴的です。

 

5. 血液検査
 炎症反応が亢進しているため、白血球増多、CRP上昇、赤沈亢進が見られます。

 

6. 治療薬

  • プレドニゾロン
  • メサラジン
  • サラゾスルファピリジン(大腸型に対して使われることがある)
     

 既存薬物の効果が不十分な中等度以上に対しては以下の薬品が用いられる。

  • アザチオプリン(免疫抑制薬)
  • TNFα阻害薬:
    インフリキシマブ
    アダリムマブ
  • JAK阻害薬:
    ウパダシチニブ
  • IL-12/23阻害薬:
    ウステキヌマブ
  • α4β7インテグリン阻害薬:
    ベドリズマブ

 

潰瘍性大腸炎

1. 潰瘍性大腸炎とは
 大腸の粘膜にびらんや潰瘍ができる大腸の炎症性疾患です。病変部位は大腸のみです。(ただし、皮膚や眼の異常を併発する場合もあります。これはクローン病も同様です。)
 原因は不明ながら、自己免疫異常が関わっていると考えられています。
 好発年齢は20~40歳代です。

 

2. 症状
 主に腹痛、下痢、血便などが起き、重症で発熱、貧血が起きる場合もあります。また、クローン病に比べると頻度はかなり少ないですが、腸管の穿孔、狭窄が起きる場合もあります。

 

3. 経過
 クローン病と同様に、根治はできず、症状が増悪する「活動期」と、症状が治まっている「寛解期(緩解期)」をくり返します。現在は治療により、寛解期を長く保つことが可能となっています。

 

4. 病変部の特徴
 病変部は連続的です。また。病変の主体が粘膜、粘膜下層に限られ、びらん、潰瘍が粘膜の比較的浅い層で起きることが多いというのが特徴です。

 

5. 血液検査
 炎症反応が亢進しているため、白血球増多、CRP上昇、赤沈亢進が見られます。

 

6. 治療薬

  • プレドニゾロン
  • メサラジン
  • サラゾスルファピリジン
     

 既存薬物の効果が不十分な中等度以上に対しては以下の薬品が用いられる。

  • アザチオプリン(免疫抑制薬)
  • TNFα阻害薬:
    インフリキシマブ
    アダリムマブ
    ゴリムマブ
  • JAK阻害薬:
    トファシチニブ
    フィルゴシチニブ
    ウパダシチニブ
  • IL-12/23阻害薬:
    ウステキヌマブ
  • α4β7インテグリン阻害薬:
    ベドリズマブ

 

国試ポイント!
病変部位や好発年齢など太字の部分はしっかり覚えましょう。
特にクローン病と潰瘍性大腸炎とで異なる部分は問われやすい部分です。
 
症状については、クローン病と潰瘍性大腸炎との細かい違いを覚えるというよりは、大まかで良いので、全体像を把握しておきましょう。
 
治療薬についても双方の細かい違いを覚えるよりも、共通してよく使われる薬としてプレドニゾロン、メサラジン、サラゾスルファピリジン、アザチオプリン、インフリキシマブ、アダリムマブを覚えておきましょう。余裕があるのであれば、他の薬も覚えておけば万全です。
 
血液検査については、炎症性腸疾患に限らず、炎症で起きる検査値との関連で覚えましょう。

 

 

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