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事務局日誌

2018年7月22日

平和学習会・原水禁世界大会壮行会(京都民医連南ブロック)

7月21日午後、京都テルサで京都民医連南ブロックの平和学習会・原水禁世界大会壮行会が開催されました。学習会・壮行会は久世診療所事務長さんの司会で始まりました。


核兵器・平和をめぐる情勢と世界大会

 

まず京都原水協の小杉さんより「平和をめぐる情勢と今年の世界大会の意義」と題して学習講演会がありました。

世界の核兵器は今なお14,200発もあること、原爆は熱線(1.5km離れても600℃!)、爆風、放射線により人々を殺傷し傷つけることなどが紹介されました。
また、昨年国連で採択された核兵器禁止条約は、核兵器の廃絶を求める被爆者を先頭とした世界中の「市民」が参加して交渉・討議がなされてきたこと、世界の民衆の運動が歴史を動かしたことが強調されました。とりわけ被ばく者自身の体験を語り拡げたことが、各国の代表を動かしました。

エレン・ホワイト国連会議議長
「被爆者が出席してくれたことは、この会議の交渉を成功に導く推進力でした。それはすべての(政府)代表を感動させ、人間の魂に訴えかけるものでした。それは理性とハートを結ぶプロセスでした」
(2017年7月7日国連本部)

 

オーストリア代表
「私たちはウィーンで国際会議を開き、被爆者の話を聞き、専門家から話を聞いた。私たちは、核兵器にかかわる危険性について非常に大きな過小評価をしていたことを学んだのだ」
(2017年3月27日国連会議)

 

核兵器禁止条約は核兵器による「威嚇」も禁止しています。威嚇によって平和を保つというのは「核抑止力」論、「核の傘」論です。
これについてはオーストリア代表の発言が印象的でした。

オーストリア代表の発言(3月27日国連会議)
「核兵器は世界をより安全にするという議論に従えばより多くの国々がより多くの核兵器を持ったほうがよいということを意味することにならないだろうか?われわれはそういう議論を信じない。明らかに、核兵器が少ない方が、そして核兵器がない方が、われわれはより安全になるのだ。それのみが、誰をもより安全にするのである」

 

今年の世界大会は、核兵器禁止のみならず廃絶への展望を切り開き、朝鮮半島の非核化(北朝鮮は核兵器禁止条約に賛成)、そして核兵器禁止条約に背を向け続けてきた日本政府の態度を変えさせる契機となることが望まれています。

(核兵器禁止条約の国際会議に欠席した日本政府の席に置かれた折り鶴。「あなたにここにいてほしかった」とあります。)



 

被爆者・戦争体験者の証言

続いて、被爆者・戦争体験者の方に話してもらいました。
お話してくださったのは、榎郷子さんと、わたしたちと同じ職場で働いておられた大坪郁子さん(看護師長さん)です。
お二人のお話は、リンク先にまとめられていますので紹介いたします。別ウインドウで開きます。

●被爆体験の継承 53 あの惨禍が二度とないようにと語り継ぐ 榎 郷子(きょうこ)さん

●被爆体験の継承 24 私の戦争体験、夫の被爆体験 大坪郁子さん


11人の原水禁世界大会参加者の壮行会

最後に総勢11人の代表の紹介がありました。

立派な会場で学習にも時間を取った、たいへん充実した学習会・壮行会でした。