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事務局日誌

2018年4月2日

軍事研究と平和、学問・大学の使命

京都コムファ本部のエスペランティストてす。(リンクはすべて別のタブや窓が開きます。)

先日京都大学で「15年戦争と日本の医学医療研究会」が開催した「軍民両用(デュアルユース)研究とは何か-科学者の使命と責任」という講演(2018.3.5記事参照)を聴きに行ってきました。

講師福島氏は「日本学術会議が2016年5月に”安全保障と学術に関する検討委員会“を設置したときに、軍事研究に反対するという声明を出した大学の医学部が一つもなかったのが残念で情けない。軍事研究と銘打たずとも、あらゆる医学研究はいつでも軍事に転用可能であり、だからこそ科学者の倫理性が問われるのだ」と激しく指摘しておられました。

この後、ようやく(2018/3/24)京都大学も社会の安寧と人類の幸福、平和へ貢献する研究を脅かすことにつながるから、「軍事研究は、これを行わない」という声明を出しました。(「京都大学における軍事研究に関する基本方針」)

また、最近、科学者委員会では、平成30年2月~3月に、「軍事的安全保障研究に関する声明」についてのアンケートを行いました。(「科学者委員会」のリンク先を参照)

その第一次集計結果(PDF)によれば、全国の大学や研究機関の12.6%が、内部での研究が軍事研究かどうかを審査する制度を新たに設けたとのことです。声明が出る前から設けていると答えたのは13.3%で、合計しても26%でした。 ただし、軍事研究かどうか審査する制度を設置することを検討もしない大学・機関(40%が回答)のうち、「もともと軍事研究の可能性のある研究は一切認めていない」「そんな可能性はほとんどない」からという理由を上げているものが約7割でした。

声明を出した京都大学の山極氏は学術会議会長就任あいさつで、「軍事的安全保障研究に関する声明」の議論・具体化は喫緊の課題と訴えています。

“Si tu veux la pas la guerre, repare la paix.”

(これはフランス語です)