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2019年7月12日

薬局の無料低額診療事業と国会での議論

無料低額診療事業

本部の事務員Yです。

京都コムファの薬局も加盟する民医連の事業所の中には、「無料低額診療事業」を行っている医療機関があります。無料低額診療事業とは、医療費に困っていて公費医療が使えない患者さんに医療機関が無料・低額で保険医療を提供することです。医療は経済的な事情のいかんにかかわらず、きちんとしたものが提供されるべきです。お金がないから虫歯になってもいい、血圧が高いままでも仕方がない、ということはあってはなりません。

コムファのブログでも、何度か「無料低額診療事業」について言及しています。

8万円あったなら…(お薬代のはなし)
新しく異動してきました。
第12回京都民医連学術交流集会
お薬代のはなし
仁和健康友の会第29回総会開かる
1月9日 新春のつどいに参加しました
民医連の視点に立った医療とは
 

しかし、保険薬局では無料低額診療事業は原則的に実施できないのと、仮に実施した場合に莫大な費用がかかることが懸念されます。わたしたちは、薬局での無料低額診療事業を多くの薬局が、経営の心配なく安心して実施できるよう求めています。

 

参議院選挙が行われています

国会では無料低額診療事業はどのように扱われているか発言を調べてみました。
国会会議録検索システムで調べることができます。(スマホでは少し見にくいかも知れません)
ここで「無料低額診療」で参議院を検索(2014年~2019年の5年間)すると3件出てきます。いずれも長大なテキストなので、ページ内を「無料低額」とか「薬局」で検索してみて下さい。リンクは別画面(タブ)が開きます。

 

・2016年、本会議、塩崎厚生労働大臣
・2017年、決算委員会、東徹議員
・2019年、厚生労働委員会、倉林明子議員

 

このうち、「薬局」の「無料低額診療」に言及しているのは倉林議員だけでした。

 

もっと長い期間(1945年~)で検索してみますと、

 

・2017年、厚生労働委員会、田村智子議員

 

が追加されただけでした。つまり、薬局の無料低額診療事業の必要性について、国会で言及されたのは2回しかなかったのです。

格差・貧困が広がる中で、無料低額診療事業のおかげでなんとか医療機関に受診することができても、肝心の薬を薬局でもらえない・薬代が払えない、という患者さんがいるのです。
繰り返しですが、わたしたちは、保険薬局でも広く無料低額診療事業が実施されるよう求めていきます。

 

無保険の外国人の人たち

倉林議員の質問の中で、日本で暮らす外国人が無保険状態で困っている、ということにも触れられていますが、そのことについては別の機会にしたいと思います。今日はサヘル・ローズさんも推薦(Twitterへのリンクです)する書籍の紹介だけ。

 


ふるさとって呼んでもいいですか
—6歳で「移民」になった私の物語(2019年、大月書店)

リンクは出版社に飛びます。

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